小雨降る中、松本から山に入った静かな集落、四賀村にある古民家を改装したるりこう庵まででかけました。お目当ては、日本でただ一人のチベット医、森のくすり塾・小川康アムチ(チベット語でお医者さんの意味)のワークショップです。

るりこう庵では、チベットの五色の旗タルチョーがお出迎えしてくれました。風に吹かれ、はためくたびに読経したことになるとか。四賀村は、秘境の感じがあるので、どこか違う国に来たような印象。
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仏さまと祭壇

ワークショップは、小川康アムチの読経から始まりました。チベットでは、処方や何かするたびに読経で始まり読経で終わるそうです。厳しい自然の中で、信仰のもとに生きる人々の暮らしがかいま見られます。感謝することを忘れがちな日常を振り返る、とても良い機会となりました。
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ずらりと並ぶ薬草のビン

木の根、葉っぱ、果実、チベットの丸薬など、ハーブとはまた趣が違って、見ているだけで楽しくなります。味は苦かったり甘かったり辛かったり・・・

生薬に使われることの多いという甘草。根っこの部分を使います。皮を削って口にすると、甘さが広がる。ただ、ちょっとしびれる感じもありました。
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これは、棗(ナツメ)。疲労回復やエネルギー補給に良いそうです。
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葛根を手に嬉しそうに説明するアムチ。チベットにいたら、間違いなくチベット人と思われるでしょうね。
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葛の根っこ。これが葛根湯のもとですね。薬効成分が抜けて、ほとんどでんぷんとして残ったところを粉にしたのが、よく見る葛粉(右の白い粉)ですね。
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葛は、つる性で生命力が強く、他の木に巻き付いて枯らすこともよくあります。なので、今日本の森では、厄介者として駆除の対象だそうです。

こういう薬になる植物を使いこなせない現代日本社会への一つの提言として、自分で葛根湯を作って自分の健康管理ができるようになれば、そこから社会や環境へのまなざしも変わるのでは、という思いもあるようです。


いよいよ自分で葛根湯を作る 

葛根湯には
・葛の根
・生姜
・桂皮
・甘草
・麻黄
・ナツメ
・シャクヤクの根
が入っているということです。 目で見て、鼻でかいで、舌で味わって、一つひとつ確かめる作業は、植物が暮らしに欠かせないものである、ということをまざまざと実感させられます。

さて、いよいよ自分たちで作ることに。外に出て、葛根をサイコロ状にしていきます。切ったそばから真っ黒になっていくので、水にさらして、水をかえてまたさらして・・・3回くらい繰り返したら、乾燥させます。今日は、ストーブで乾かしますが、本当は天日でじっくりと。
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アムチ側から時計回りに
・生姜
・荒茶(麻黄の代わり)
・葛根
・ナツメ
・シャクヤクの根(貴重品です)
・桂皮
・甘草

これらをやかんに入れて煮だすこと20分。この間にもヤカンの意味=薬缶もともと薬を煮だすためのもの、とかの話題で盛り上がります。

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ちょっと生姜が強かったかな?甘草をもう少し入れた方が良いかも??など、各自の感想が飛び交います。でも、わたしはホカホカ温まって、とてもおいしくいただきました。
 
それにしても、植物は、薬になったり、食べておいしかったり、香りや花を楽しんだり。本当にその世界は奥深くて感動します。

ただ、こうして振り返ってみると、乾燥させていることもあるのでしょうが、どちらかというと地味な感じ。でも、地味は滋味につながります。生薬というくくりでなく、広く植物たちともっと仲良くなりたい、という思いがつのりました。


でもやっぱり地味だよね〜

ということで、このワークショップに参加する前に立ち寄った富士見町のご近所、ゆるカフェさんで撮ったサラダとデザートで〆。笑
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つづき▶︎チベット医に学ぶ②薬草茶道をたしなむ




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